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エクアドル刑務所で暴動、43人死亡

 ブラジルのメディアによると、エクアドルの刑務所で暴動が起きた9日、収容者が少なくとも43人死亡し、数十人が負傷しました。当局は、暴動で112人の囚人が逃走したとしています。直接の原因は、裁判所が別の刑務所から囚人を移してきたことと指摘されています。

 暴動はサントドミンゴ市のベラビスタ刑務所で囚人同士の争いから始まり、当局は争いを止めるため兵士を動員しました。同国内務大臣は「反乱はギャング団の一方が移されてきた別派閥のギャンダグを襲撃したことから始まった」と説明しています。裁判所の命令で別の刑務所から別派閥の囚人を移送してきたのが直接の原因のようです。

 犠牲者のほとんどは刺し傷で死亡しましたが、刑務所の近くに群がっていた囚人の親戚の一部が逃げようとして警官に撃たれたとの情報もあります。当局は刑務所内でライフル、ピストル、手榴弾、弾薬を発見したと発表しています。

 暴動のもう一つの要因に、刑務所の過密状態が指摘されています。暴動の起きたベラビスタには収容人数を500人上回る1,700人が収監されていました。過密状態は全国的で、国内65の刑務所で30,000人を収容できますが、現実には35,000人が収容されています。

 エクアドルは街頭での暴力、麻薬密売の増加に直面しており、政府は6月末まで、グアヤス、マナビ、エスメラルダスの各州に非常事態を宣言しています。