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サルバドール海岸に登場した「謎の箱」の正体

 ブラジルのメディアによると、サルバドールの海岸で3日、得体のしれない箱2つが見つかり、「謎の箱」が出現したと話題になっています。箱の除去を担当したアーバンクリーニングカンパニーも、この謎の箱を確認、重機で片付け、調査のためのサンプルを海軍と連邦大学地球科学研究所に送りました。

 この手の話は真実が明かされると、ミステリアスな興味は吹き飛ぶことになっています。この箱の場合も同じで、バイーア連邦大学海洋科学研究所の海洋学者が、「不思議な箱は、80年前に海に沈んだナチス・ドイツ船のゴム製の俵」と解明し、不思議な箱騒動も下火になりました。

 研究者によると、俵は第二次世界大戦の終わり(1944年)に、アメリカ艦隊によって沈められたナチス・ドイツの船SSリオグランデの積荷でした。その船は当時、ゴム製の箱のほか、コバルト、スズ、真鍮、チタンなどの金属も運んでいました。

 解明のヒントになったのは、2年前にセアラの海岸に漂着した沈没船のものと思われる「フランス領インドシナで生産された」という文字の束で、インドシナはドイツの同盟国だった日本が支配しており、そこから沈められたドイツ船の積荷と推測されました。また、バイア港の船長は、「2018年以降、北東海岸で不明な荷物が発見されているが、この間、この荷物を積んでいたと思われる航海事故は起きていない」と語っており、これがドイツ船の積荷と推測されるもう一つの理由です。

 この謎の箱は調査で、特殊な物質に汚染されていないと判れば、廃棄処分にされる予定です。