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大統領の軍私物化を防ぐ憲法改正急ぐ

 ブラジルのメディアによると、ボルソナロ政権に返り咲いたパズエロ元保健相の違法性を調査していた陸軍司令部は4日、彼を罰しないと発表しました。これを受け下院は、現役の軍人が政府の政治的地位を占めることを防止する憲法改正案の採決を急いでいます。

 ボルソナロ政権の大臣を務めた退役軍人サントス・クルス氏はソーシャル ネットワークで、この決定を恥ずかしく思ったと書き、「大統領の行動と彼の個人的な権力発動は一致する。大統領は制度の侵食に歩を踏み出している」と、大統領の危険な側面を指摘しています。

 また、クルス氏は「大統領はブラジル軍のことを『私の軍隊』と無責任な扇動的言辞を弄している。これではブラジル国民のものである軍隊が、大統領個人の軍隊と誤解されかねない」としています。

 軍法および陸軍の懲戒規則に規定されている禁止にもかかわらず、現役の将軍を罰しないという決定で、下院は「現役の軍人が政治的地位を占めるのを防ぐための憲法改正案の早期採決すべき」と提案者のアルメイダ下院議員は述べています。投票には171 人の賛同者が必要ですが、現在、 82 人が賛同しています。