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石油販売価格は市場に追従

 地元メディアによると、パウロ・ゲデス経済大臣は17日、石油価格はペトロブラスの問題として、中東の政治不安から石油価格市場が不安定になっていることについて、政府が価格決定に介入するかどうかの言明を避けました。ペトロブラスは16日、「サウジアラビアへのドローン攻撃が、石油生産にどのような影響を与えるか、まだ明確になっていない。このため石油価格市場は不安定で、しばらくは市場価格に追従する」と述べました。今後数日間は市場の変動に合わせるのみで、価格調整はしないとしています。

 デビッド・ジルバースタイン元石油庁長官はペトロブラスの立場を支持し、「価格を再調整する前に、中東の状況が落ち着くのを待たなければならない。中東の情勢についてはまだ推測の域を出ず、数日待つという慎重さを支持する。調整を行う状況にはない」と語っています。

 ペトロブラスの燃料価格方針は2016年10月以降、国際市場の変動に追従してきました。一時的に調整されたこともありますが、基本的にペトロブラスは価格改定の調整期限は設けないとしていました。4月になって、国際的な価格高騰を受けトラック運転手らがストで政府圧力をかけ、ボルソナロ大統領はディーゼル油の上昇を止めるよう指示しました。これでペトロブラスの株式は1日で8%下落、同社は300億レアル以上の株式資産を失ったとしています。

 ペトロブラス経営陣は、「燃料価格が政府によって制御されていると、ペトロブラスは市場よりも低い価格で製品を販売せざるを得ず、損失を積み重ねるばかりだ。過去の過ちを繰り返すことはできない」と、販売価格の政府コントロールに異議を主張しています。石油専門家も、「ペトロブラスに価格決定の自主性を持たせることが必要だ」と指摘しています。