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海水から麻薬の残留物質

 地元メディアの報道によると、サンパウロ州海岸地域で行われたサンパウロ連邦大学海洋科学部の調査で、海水から医薬品やコカインなどの違法薬物の残留物質が検出されました。調査は、サントス近郊海岸のプライア・グランデからサンビセンテ間の環境保護地区で海水をサンプリングして行われました。調査結果は、さきごろ開催された南米環境化学技術学会で報告されました。調査したカミロ・セアブラ博士は、「残留物は人間の尿から排出されたと考えられ、この地域の海洋生物に影響を及ぼしている可能性がある」と語っています。

 調査では同地域の海水中のマイクロプラスチックの存在も明らかにされました。マイクロプラスチックは大きさ5mm以下の微細なプラスチックで、元々は海岸や河川に廃棄されたプラスチックの断片です。マイクロプラスチックは、ウミガメの怪我や死亡の主要な原因とされています。オーストラリアのクイーンズランド大学が行なった国際的な研究でも、世界中のアオウミガメの半数が海洋ゴミを飲み込んでいると推定しており、アオウミガメの生死に大きく影響していると見ています。