中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

ジカウィルスの感染疑い800人=サンパウロ州

 エスタード紙によると、サンパウロ州リベイロン・プレット市の流行病監視局の調査で、同市でジカウィルスに感染した疑いのあるケースが800件に上り、うち140人が妊娠中の女性と判りました。昨年同市で感染が確認されたケースはわずか8件でした。
 同紙は、研究所でジカウィルスの存在が確認されたのは州内ではサンジョゼ・ド・リオ・プレット、スマレー、ピラシカーバの3市となっていますが、昨年11月以降小頭症の症例数は過去数年の平均の3倍になっており、3市以外の内陸部都市でも増加傾向が見られる、と報じています。
 バウルー市では3人の妊婦が、ジカウィルスに感染した症状を示し、これにより同市における感染疑いの妊婦は今年だけで4人になっています。アメリカーナ市でも31歳の妊婦がジカウィルスに感染していることが確認され、私立病院で経過が観察されています。同地域では、カンピーナス市で1人、スマレー市で2人の感染が記録されています。
 ソロカバ市でも、先週2人がジカウィルスに感染していることが確認され、8人を感染の疑いで調査中です。同市保健局によると、感染の確認は研究所での検査後に行われ、感染した2人のうち1人はリオデジャネイロ市、もう1人はリベイロン・プレット市に滞在しており、同市外部で感染したと見られています。2人とも公立保健施設で経過観察中です。
 リベイロン・プレット市のロドリゴ・アゴスチーニョ市長は、蚊を撲滅するために軍に協力を要請。軍の隊員が戸別訪問を行なうなどネッタイシマカ駆除作戦を展開しています。

デング熱と区別が困難

 リベイロン・プレット市流行病監視局のアナ・アリセ・カストロ・エ・シルバ課長は、新たなジカウィルスの疑いが、デング熱ウィルスと混同される可能性があると指摘し、「既に今年はデング熱として報告された患者数は927人に上っている。しかし、双方の病気の特徴が似ているため区別が困難、保健所を訪れる患者数も急増している。デング熱の疑いの多くが、ジカウィルスの感染かもしれない。我々は、2つの病気の流行に脅かされている」と語っています。