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高まるブラジルへの投資リスク

 地元メディアによると、ジョアキン・レビ財務大臣が10日、ブラジル銀行協会連盟主催の年末昼食会後に行われた質疑応答の中で、格付け機関によってブラジルの投資適格級がさらに引き下げられ、対外債務リスク等級(投機的等級)になる可能性があると語りました。同大臣は、「格下げの問題は、現実の反映だ。サッカーの選手権においても、もし組織しなければ団結できない。そして、深刻な結果をもたらすことになる。明白に、自分が属していると思う部門に戻るように努め、働かなければならない」と述べたものです。
 9日午後、大手格付け会社ムーディーズはブラジルの信用格付けを引き下げる方向で見直すと発表し、引き下げられた場合、国が公的債務不履行のリスクを負っていないとする投資適格級との格付けを失うことになります。ムーディーズ社は、ジルマ大統領の弾劾請求審議の手続き開始から生じる政情不安が、歳出削減と増税措置の承認を困難にするとして、引き下げの検討を始めたものです。
 同社による現在の格付けは、投資適格級の最低レベルであるBaa3。9月にはスタンダード&プアーズ社が、ブラジルををこのカテゴリーから外しました。もし、もう一つの格付け機関が投資適格級から引き下げれば、国際投資ファンドはブラジルに資本投資ができなくなり、結果的に資本が逃避することになります。