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「サンパウロ新空港」計画概要判明

 地元メディアによると、ジルマ大統領(労働者党=PT)は大サンパウロ都市圏で3カ所目となる新空港建設プロジェクトの候補地がカイエイラス市であり、新空港は「サンパウロ新空港(Nasp)」と名付けることを明らかにしました。カイエイラス市はサンパウロ市からわずか30キロと近く、同じく大サンパウロ都市圏のグアルーリョスサンパウロから25キロ)とビラコッポス(同90キロ)両空港にとって競合空港となりますが、各航空会社と旅行者にとって選択の幅が広がり利便さが増します。
 新空港の建設法案は2007年にネルソン・ジョビン前国防相が提出、11年9月に候補地の名を伏せたまま当時のジェラルド・アルキミン州知事によって発表されました。新空港の建設はアンドラーデ・グチエレス社とカマルゴ・コレア社が共同運営する「CCRグループ」により行われ、現在討議中の法改正後に着工に入る予定です。サンパウロ州政府によると、法改正の目的は2012年12月に承認した要人専用空港への民間投資に関する法案を改正し、これら民間空港への定期便の離着陸を認めるものになる、としています。
 CCRも声明文を発表し、サンパウロ新空港を一般空港として建設するための調査を行っていると明らかにしています。投資額は約50億レアルで、年間4800万人の利用を見込んでいます。サンパウロ新空港は、拡張工事後の1年間で4500万人の利用があったグアルーリョス空港と比較しても、それを上回る大規模空港になるとが推測されています。
 バイン&カンパニー社のアンドレ・カステリーニ社長は「サンパウロ周辺の空港間で競争が活発になれば、旅行者にとって有益となる。サンパウロ市から最も遠いビラコッポス空港は、グアルーリョス空港以上の打撃を受ける」と見ています。グアルーリョス空港はコスト高のために「高級空港」のようになってしまっていますが、強力なライバルの登場で、高級度が緩和されるという期待もあります。

航空業界の反応

 ブラジル航空会社協会(Abear)の技術顧問を務めるアダルベルト・フェべリアノ氏によると、各航空会社は新空港の建設に好意的な姿勢を見せています。理由は、空港間の競争が激しくなることで各社がハブ空港を選択する際の航空会社の交渉力が強くなることを挙げています。