中南米の最新情報

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コロナウイルスの予防法

 ブラジルメディアがコロナウイルスを防ぐ方法について、詳しく報道しています。まずコロナウイルスについての説明からです。

 コロナウイルスは1960年から知られている冠状ウイルスのファミリー名です。これらは呼吸器感染症を引き起こすのが特徴で、これまでにSARSやMersなどを引き起こしています。今回のコロナウイルスはCovid-19と呼ばれ、2019年12月下旬に中国で発見されました。最初の死亡は1月9日です。

 感染は、感染者がくしゃみ、咳、会話でウイルスを含んだ唾液を空気中に放出し、それを吸い込んだり、唾液が付着した手すり、ドアノブに触れることで起きます。キスや抱擁などの接触でも感染します。

 感染者の主な病状は乾いた咳、発熱、強い倦怠感などです。その他に体の痛み、鼻づまり、のどの痛み、下痢を訴える人もいます。

 予防法はウイルスが付着している可能性のある家具や手すりなどに触れた場合、徹底した手洗いが必要です。洗った手でも、目、鼻、口の粘膜に触れないことが肝要です。室内は清掃し、換気を心がけます。また、インフルエンザのような症状のある人と接触するとき、汚染の危険がある地域を旅行している人は、マスクの使用を勧めます。使い捨てマスクは2時間ごとに交換するのがベターです.

サンパウロで3人目のコロナ感染者か

 ブラジルでも世界中で増え続けるコロナウイルス禍について毎日報道され、注目を集めています。地元メディア4日の報道によると、保健省が「2人の感染者が確認されているサンパウロで、感染を疑われる3人目の調査に入った」と発表しました。

 報道ではブラジルも増加傾向にありますが、世界各国でも感染者が増加していると伝えています。欧州で最も深刻なイタリアは、症例数と死亡者数の多かったイランを上回り、感染者数3,089人、死者が107人に上っています。イランは感染者2,922人で、92人の死者です。イタリアでは15日まで各学校と大学を閉鎖します。

 世界保健機関(WHO)によると、72カ国でコロナウイルス感染者が確認されています。韓国は、中国以外で最も大きな打撃を受けた国で、感染者5,621人で死者が33人です。米国でも感染者120人が確認され、9人が死亡しています。アンゴラサウジアラビア、ヨルダン、ラトビア、モロッコポルトガルセネガルチュニジアにもコロナウイルス禍は拡大しています。

 各国は感染者拡大の予防措置を執っています。サウジアラビアはメッカへの巡礼を中止し、日本、イギリス、フランスなどは人が集まるイベントを中止、学校閉鎖したりしています。

サンパウロの豪雨で18人死亡、30人行方不明

 地元メディアによると、サンパウロ海岸を襲った豪雨は3日、地滑りを起こし、18人が死亡し、30人が行方不明になりました。被害者の中には、捜索を行っていた消防士2人も含まれ、犠牲者は3歳から86歳まで広範囲に及んでいます。雨は72時間で3月の平均を超える雨量でした。

 豪雨はサンパウロ海岸のサントス、サンビセンテ、グアルジャを襲い、洪水、地滑りを引き起こしました。道路が水没し、輸送、教育、給水、電気、電話に影響を与え、高速道路が閉鎖されました。グアルジャは非常事態を宣言しています。消防士2人は、地すべりに巻き込まれた母親と赤ちゃんを救おうとして犠牲になりました。老人ホームも地滑りに襲われ、86歳の老人が亡くなっています。

上院議長が大統領に苦情

 地元メディアによると、ボルソナロ大統領が右翼グループに議会反対のデモを求めるビデオを公開した件で、2日、政府と議会の代表者が会談しました。席上、ダビ・アルコロンブレ上院議長は大統領に議会に渦巻く不満を伝えると共に、関係を悪化させないよう要請しました。

 同会談は議長側の要請で開かれました。議長は「これ以上事態を悪化させないため、マスコミやソーシャルメディアに話すより、直接大統領と会話することを選んだ」と会談要請の意図を説明しました。

 ボルソナロ大統領は携帯電話で支援者にデモを求めるビデオを送り、「民主主義を壊す」と最高裁判所、政治家、市民社会団体から強い反発を受けていました。

ウルグアイに右派の大統領が登場

 ブラジルのメディア1日付の報道によると、右派の国民党が支持したルイス・ラカレ・ポウ氏がウルグアイ大統領に就任しました。大統領は就任時の演説で、「メルコスールの重要性を強調し、失業と麻薬密売と戦う」と語りました。15年間にわたる左派連合政権に終止符が打たれました。

 新大統領はまた、「私たちは犯罪や麻薬密売に屈するつもりはない。刑務所を含め、我が国の隅々まで支配権を取り戻す」と力説しました。
 
 同就任式にはブラジルのボルソナロ大統領も出席しました。

モラレス前大統領の詐欺容疑に疑義

 28日付ブラジル・メディアによると、27日のThe Washington Post紙上に「マサチューセッツ工科大学の研究者二人の分析の結果、10月のボリビア大統領選でエボ・モラレス前大統領が当選したのは詐欺によるもので無効とされた件で、詐欺を疑う理由は見つからなかった」との記事が掲載されました。

 研究者は「私たちが発見した詐欺の統計的証拠は無かった。初期開票の傾向、中断後にモラレス氏が優位になった米州機構の理由説明など不透明で、要するに統計分析と米州機構の結論には重大な欠陥がある」と述べています。

 これに対し詐欺の可能性を指摘した米州機構は28日、二人の研究者の話に異議を申し立てています。「開票が始まった最初はモラレス氏には不利な状況で、集計が進むにつれ彼の敗色は濃厚になった。ところが開票が84%まで進んだとき、開票が突如中断され、再開されると今度は最初から彼の得票数が多くなっていた」と不正の可能性に言及しました。

 さらに米州機構は、研究者は米州機構監査報告書の主要な結論を無視していると述べ、投票記録シートの変更および投票箱の責任者の署名の偽造、集計の過程で最高選挙裁判所が管理していないサーバーて対応の2点からも、「選挙の意図的な操作があったことを明確に証明している」と強調しています。

 論争の結論は出ていませんが、果たしてモラレス氏の不名誉な烙印が消えることになるのかどうか。

コロナウイルス感染容疑者130人

 地元メディアによると、ブラジル政府は27日、コロナウイルス感染を疑える症例が132件あると発表しました。患者は8〜82歳と広範囲にわたります。132人の感染容疑者のうち、2人が検査の結果、陰性だったと説明しました。

 全国で疑わしい患者はサンパウロ(55人)、リオグランデドスル(24人)、リオデジャネイロ(9人)、サンタカタリーナ(8人)、パラナ(5人)、連邦管区(5人)、ミナス・ジェライス(5人)、セアラ(5人)、リオ・グランデ・ド・ノルテ(4人)、ペルナンブコ(3人)、ゴイアス(3人)、南マット・グロッソ(2人)、パライバ(1人)、アラゴアス(1人)、バイア(1人)、エスピリットサント(1人)となっています。 

 政府はインフルエンザワクチンの接種を始めますが、「インフルエンザワクチン接種者がインフルエンザのような病状を示した場合、それは他のウイルスの可能性が強く、コロナウイルス感染者発見が容易になる」としています。

ブラジルで初のコロナウイルス感染者

 地元メディアによると、25日にコロナウイルス感染が陽性だったイタリア旅行帰りの61歳の男性の2回目の検査結果についてブラジル保健省は26日、陽性だったと発表しました。ブラジルで初の感染者になりました。彼の他に感染が疑わしいと見られている全国で20人が調査されています。

 保健省は、「患者は帰国直後は何の兆候も見られなかったが、数日後、呼吸器に異常を感じ病院で医療処置を受けた。彼の家族や接触した30人を監視している」としています。また、イタリアから同じ飛行機で帰国した乗客16人も監視下に置かれています。

 陽性と判断された患者は、高血圧で、60歳以上と病気に不利な条件ですが、現在のところ症状は軽度ということで、自宅で療養しています。健康監視局は、「入院すると、衰弱した入院患者に感染する可能性がある」と自宅待機の理由を説明しています。

ブラジルにもコロナ感染者?

 地元メディアによると、ブラジル保険省は25日、サンパウロ州内にコロナウイルス感染の疑いで4人が監視対象下にあり、その中のイタリア旅行歴のある61歳の男性の感染が濃厚と発表しました。残り3人も海外渡航歴があります。

 61歳の男性の最初の検査はアルバート・アインシュタイン病院で行われ、陽性反応が出ました。さらに慎重を期してアドルフォ・ルッツ研究所で2回目の検査をし、26日に結果が発表されます。

 アインシュタイン病院によると、男性は軽い咳の症状があるものの、良好な臨床状態で入院の必要はないとしています。このため男性は自宅待機中です。医療チームは男性と密接に接触した人々の監視も続けています。2回目の検査でも陽性となると、この男性はブラジルで初の感染者になります。

コロナウイルスが世界市場を直撃

 ブラジルメディア24日付けによると、世界的なコロナウイルス感染者の増加で、投資家は、世界の成長に大きな影響を与え兼ねないと弱気になり、各国の株式市場が軒並み値下がりしています。WHOは「パンデミック」ではないとしていますが、国際的な緊急事態と述べています。

 こうした事態にヨーロッパ株式市場は敏感に反応、大幅な値下がりに見舞われています。中でも7人が死亡し、190人がウイルス感染者とされているイタリアのミラノ市場では5.3%値下がりしました。米国でも3.71%の下落を記録しています。

 中国では感染者の数が減少傾向と発表されていますが、中国以外の国では感染者の増加が報告されており、投資家は世界経済の先行きに疑心暗鬼に陥っています。

 ラジルでは、カーニバルのために株式市場と銀行は休みで、26日に開されます。ニューヨークではブラジル指数ファンドが4.99%下落し、ブラジル企業の株式を集めたブラジル・タイタンズは4.81%下落しています。投資家は株式より安全な金投資に向かい、金価格は7年ぶりの高値を記録しています。世界経済の減速を見越し、石油消費が減すると見て、原油価格は下落しています。