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大手書店チェーンが20店舗閉鎖

 地元メディアによると、ブラジル最大の書店チェーン「Saraiva」(サライバ)は29日、国内84店舗のうち20店舗の閉鎖を進めていると発表しました。サライバは「デジタル化戦略を強化するため投資を続けており、今日ネット上で最も売れている分野の書籍市場にビジネスを集中させ、今後も顧客サービスの向上に努める」と説明しています。

 サライバは2018年第2四半期(4~6月)は3760万レアル(約11億円)の損失を出しました。17年第2四半期の損失額はこれの半分以下の1660万レアルでした。また18年第2四半期の純売上高は17年同期比で1.6%減の3億6450万レアルにとどまり、店舗での売り上げは2億2790万レアルと17年同期を4.1%下回っています。逆に電子取引による売り上げは1億3650万レアルと前年同期比で2.9%伸びました。

 数日前には、ブラジルの大手書店チェーンの一つ「Livraria Cultura」(リブラリア・クルトゥーラ)が民事再生手続の申し立てを行っています。両チェーンは経営的に非常に厳しい状況に置かれており、この数カ月間は出版社などへの支払いが滞っています。ブラジルの出版市場は今後、活性化する可能性はないと見られています。