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盗難被害で余儀なくされるセキュリティ投資

 国内メディアによると、スーパーマーケットや衣料品販売の小売店が、多発する商品の盗難で盗難予防の強化に追われてています。景気が思わしくない中で小売業界の経営者は、利益が大きく損なわれる販売店内での窃盗(万引き)や強盗の増加に、セキュリティ強化への投資を余儀なくされ悲鳴を上げています。中でもスーパーマーケットや薬局・薬店、衣料品店の被害が多く、これらの経営者は保安システムの強化を急いでいます。

 ブラジル損害予防協会は「ここ数年間、窃盗・強盗が急増している。連邦政府が治安維持に乗り出しているリオ州でさえ、状況は悪化の一途だ」と犯罪の増加を指摘しています。リオ市のリオ小売幹部クラブによると、リオ市内の小売業者は18年上半期(1~6月)だけで合計9億レアル(約270億円)をセキュリティ強化に投資しており、投資金は17年上半期より20%増加しています。

 損害予防協会によると、被害額が大きいのは大手スーパーマーケット各社、近年急速に店舗網を拡大している薬局・薬店業界、衣料品販売店としています。設置した小売店は防犯用の機器を設置するだけではなく、セキュリティシステムに対処できるよう従業員の訓練が欠かせません。投資は、機器だけでなく「人」にも必要で、資金は膨れ上がっています。

 ブラジル・スーパーマーケット協会の調査によれば、17年の食品小売部門の損失額は64億レアル(約1920億円)で、損失の内訳は商
品の汚損や破損、消費期限切れなどによるロスが36%、盗難が25%になっています。万引きされる品は栄養ドリンク、ビール、牛肉、チョコレート、チーズがベスト5です。