中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

菜食主義者が14%に増加

 エスタード紙など国内メディアによると、調査会社Ibope(ブラジル世論調査・統計機関)インテリジェンシアが今年4月に実施した調査で、16歳以上のブラジル国民の14%が菜食主義者だと判りました。ブラジルの人口で計算してみると、約2900万人になります。

 同調査は、ブラジル菜食主義協会の依頼を受けたIbopeが北東部を除く国内各地方の州都、都市周縁部の計142市2000人を対象に行いました。完全な菜食主義者と答えたのは8%、部分的な菜食主義者と答えたのは6%でした。サンパウロクリチバレシフェリオ・デ・ジャネイロの各都市圏では、菜食主義と答えた割合は16%に上りました。2011年の調査では、菜食主義者と答えたのは8%(約1520万人に相当)でした。

 菜食主義者の増加傾向は、別の調査でも同様の傾向が認められます。南部と南東部、北東部のサルバドール、レシフェフォルタレーザ各市、ブラジリアの州都圏で菜食主義者と答えた人(18歳から75歳)は、12年の8%から17年には12%に増加しています。

 ブラジル菜食主義協会のコーディネーターは、「特定の限られたグループではなく、現在では普通の家族の中に菜食主義者がいる」と述べています。同氏は「厳格な菜食主義ではないにしても、菜食を心がけていれば菜食主義といえる」と指摘しています。最近菜食主義者になったデザイナーの女性(38)は6年前の検査で鉄分が多いと指摘され、医師の勧めで野菜を食べるようになりました。女性は「夫が肉をよく食べることから再び肉を食べるようになったが、2015年に再び野菜中心の食事にした」と話しています。

 マット・グロッソ連邦大学社会政治学部のジュリアナ・アボニジオ教授は、「これまでは宗教的な理由による菜食主義が多かったが、現在では環境や健康、動物保護等を考えて菜食を始めた人が増えている」と説明しています。