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日本語能力試験受験者数が急増

 国際交流基金主催の日本語能力試験が先ごろ、ブラジル8カ所の会場で行われました。サンパウロ市会場では受験者の増加で、試験会場を移す盛況でした。受験者が増加したのは、JICAや総領事館などが行っている日本研修制度や4世の査証問題が影響していると見られ、日本への志向が高まっている現れのようです。

 ブラジル日本語センター(立花アルマンド理事長)によると、全会場での受験者数は3687人でした。前年より601人の増加です。受験者は初級から最上級の全カテゴリーで増えています。受験者を地域別に見ると、サンパウロ(2356人=333人増)、ロンドリーナ(240人=22人増)、ベレン(123人=36人増)、リオ(403人=134人増)、ポルト・アレグレ(136人=14人増)、ブラジリア(245人=41人増)、サルバドール(51人=2人増)、マナウス(133人=19人増)となっています。

 受験者の増加理由について関係者は、「ここ数年間、受験者は減少していた。今回はいままで受験していなかった人が一斉に受験した可能性がある。日本での研修に魅力が出てきたのだろう。研修制度に応募するには、日本語能力試験の結果が求められるから」と、受験熱高まりの背景を説明しました。

 4世に対する日本のビザ問題も受験者増の原因とみられています。「インターネット上で、デカセギで(日本に)入国する4世には日本語検定能力の結果が必要との情報が流れていた。日本語能力試験が年に1回の開催のため、4世のビザ解禁時に間に合うよう受験した人が多数いたのではないか」と関係者は推察しています。

 4世の在留資格については未だ不透明で、朝日新聞が「在留資格として一定の日本語能力が必要」という趣旨の記事を報じたのみで、詳しいことはなにも判っていません。現在も国会や関係省庁で論議が続いているようで、不確実な情報がインターネットで報じられ、日本行き希望する4世たちの日本語学習熱に拍車がかかっているようです。