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男女格差広がる

 スイスに本部を置く非営利団体世界経済フォーラムが1日発表した「男女平等に関する年次報告書」によると、ここ10年間着実に縮まっていた世界の男女格差が今年になり再び拡大しました。国内メディアが報じたものです。同報告書は世界144カ国の男女平等について、労働、教育、健康、政治の各分野で評価しています。報告書は、現在のペースで進めば、労働分野における男女間格差は217年後の2234年まで続くとしています。昨年は格差解消にかかる時間は170年としており、1年で47年も先に伸びたことになります。

 同報告書は144カ国の男女格差の順位付けを発表していますが、今年のブラジルの順位は90位でした。15年に85位だったブラジルは16年に79位までラックアップしましたが、今年はそこから一気に11ランクも下落しました。ランク付けが始まった2006年のブラジルは67位でした。

 ブラジルの女性は政治面で大きな不平等を被っており、これがブラジルの評価を大きく押し下げています。ブラジルの女性は省庁や議会への進出が低く、低い賃金に苦しめられているのが現状です。政治的に力をつけているかを評価する指標では、ブラジルの順位は昨年の86位から一気に110位にまで落ちています。ブラジルの連邦下院議員は513人ですが、女性はわずか51人(10%)です。上院も似たようなもので、81人の議員の内女性は13人(16%)です。現政権の閣僚も、28ポストの内女性はわずか7%、2ポストに就いているに過ぎません。

 男女の賃金格差も大きく、女性の賃金は男性の58%です。この割合は昨年と同じで、この1年間まったく改善が見られませんでした。17年の平均年収は推計で男性が6万2860レアル、女性は3万6330レアルです。

 ラテンアメリカ諸国の順位を見ると、アルゼンチン33位、コロンビア36位、ペルー48位、ウルグアイ56位、チリ63位、メキシコ81位、パラグアイ96位、グアテマラ110位でした。

 ちなみに日本の順位は昨年より三つ低い114位でした。日本の女性は中南米諸国の女性より冷遇されていることが一目瞭然で、日本が男社会といわれる所以もここらにありそうです。