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軍警が貧民街で観光客を誤射

 リオデジャネイロ市の貧民街「ロシーニャ」地区で、観光客のスペイン人マリア・エスペランサ・ルイスさんが23日、銃で撃たれて死亡しました。麻薬犯取締りで警察が捜査中で同地区への一般人の出入りは検問でブロックされていました。しかし、マリアさんを案内していたタクシー運転手が検問に気付かず侵入したため、犯罪者に間違われ狙撃されたという。地元エスタード紙が報じています。

 軍警察は公式には、「暗いウィンドウフィルムを張った車両が検問を突破したため、警察官が発砲してマリアさんが亡くなった」と発表しています。マリアさんは首に銃弾を受けており、ライフルで狙撃されていました。

 今回の事件でリオ市警のカルドーゾ署長は「運転手が検問を確認しなかったため事故が起きた。被害者の姉妹も車内にいたが、やはり検問に気付かなかったと話している」と述べ、軍警察が発砲したライフル3丁を押収しています。同所長は続けて、「観光客がリオに到着して殺害されるなどあってはならないことだ。我々は、発砲した臆病者を特定して逮捕する。検問が行なわれたかどうか、はっきりとわかる検問だったかどうかも調査する」と述べました。

 ファベイラ観光の責任者であるガイドも、警察の手入れに関して知らなかったという。リオ市南部ロシーニャ貧民街の観光案内をする観光ガイドは、「同地区内のことを知らない外部の地区のガイドがマリアさんを案内していた」と語っています。

 貧民街ロシーニャの観光ガイドの一つ「ファベーラ・ウォーキング・ツアー」社のコーディネーターは、「我々は地元のガイドと共に動き、ガイド同士が情報を交換している。毎日、状況を確認しなければならない。我々はここに住んでいるので、大丈夫かどうかは確認できる。この仕事を始めて3年になるが、一度も問題が起きたことはない。常に気をつけ注意している。危険な場所も知っている。観光客は、事件が起こりそうな場所には連れて行かない。もちろん、警察から観光しないようにと言われたら行かない。地元のガイドは、車を止める警察の命令を無視することはあり得ない。多分そのガイドは、事情を理解していなかったのかもしれない」と指摘しました。