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交通監視員の武装を「拒否」方針=サンパウロ市=

 地元メディアによると、サンパウロ市役所は国会で可決された交通監視員の武器携行許可法案を拒否するようテメル大統領に求めました。同市移動性・運輸局は、「交通監視員の職権は公共の安全のために活動するのではなく、道路の安全のために交通の監視と指導を行うことにあると理解している」と反対する理由を述べています。

 武器携行許可法案は2008年、当時下院議員だったタデウ・フィリッペッリ氏(PMDB)が提案しました。法案は「交通監視員がその職務の遂行にあたって武器使用を認める」というもので、交通違反取り締まりの際に交通監視員が暴行被害に遭う事例が少なくないことから、ブラジル交通監視員協会が支持していました。

 サンパウロ市内では毎月平均5人の監視員が暴行被害に遭っているにもかかわらず、サンパウロ市交通監視員の組合は、「警察の役割を果たすのは交通監視員の仕事ではない」と武器の携行と使用を認める法案に反対しています。

 テメル大統領はまだ同法案を拒否していませんが、サンパウロ市は同市の約1400人の交通監視員を武装させない方針です。