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ヌズマン五輪会長を買収容疑で逮捕

 リオ五輪誘致で国際オリンピック委員会委員の票を買収した容疑で捜査していた連邦警察と連邦検察庁が5日、ブラジルオリンピック委員会のカルロス・アルツール・ヌズマン会長と同会長の右腕でリオ五輪委員会のレオナルド・グリナー元執行役員を逮捕しました。グローボ紙が報じています。

 同会長は、リオ市レブロン区の自宅で逮捕され、市内中心部の連邦警察本部に連行されました。同氏はブラジルオリンピック委員会の会長を22年間勤めています。ヌズマン会長の弁護士は逮捕は厳し過ぎるとして、「今後、事実をはっきりさせる。何が起きているのかわからない。何を証拠に逮捕されたのかを調べる。厳しい処置であり、正当な手続きとはいえず、異常な処置である」と逮捕を批判しています。

 国際オリンピック委員会は声明で「捜査に協力している」と述べ、同倫理委員会の内部調査を進めるため、ブラジル当局に情報の提供を求めています。同委員会は同時に、ヌズマン会長に対する何らかの処置を講じる可能性も指摘しています。

 連邦検察庁によると、逮捕されたヌズマン会長とグリナー元執行役員は、汚職マネーロンダリング、犯罪組織形成の容疑で起訴さ
れる見込みです。捜査関係者の話では、票買収計画にはセルジオ・カブラル元知事も関与しているとしています。買収資金は、アルツール・セーザル・ソアレス・デ・メネゼス・フィーリョ氏が提供したとして逮捕状が出されていますが、アルツール氏は逃亡中で未逮捕です。
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 票買収は東京五輪誘致でも同じ仕組みだったと指摘されており、今後問題化する可能性もあります。コンサルタント料として多額の金が支払われており、日本のオリンピック委員会は問題なしと報告していますが、このままでは日本の検察はブラジルに劣るということになりかねません。