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3人に1人が路上犯罪や警察暴力に恐怖

 調査会社ダタフォーリャが行なった調査で、日没後に住居地域で起きる犯罪や軍警察官の暴力に恐怖心があるという回答者が35%もいることが分かりました。フォーリャ紙の報道です。調査は、6月21~23日に国内194市の2771人(16歳以上)を対象に行われました。軍警暴力の対象になるのを恐れているのは49%、日没後に近所の通りを歩くのが怖い人は60%に上っています。

 調査結果に専門家は、「暴力に対し弱いという意識や助けを求める人がいないという考えが孤立感を産み、社会との一体感を喪失、適法すれすれの個人的な安全対策に頼ろうとする。これでは問題の解決にはならない」と指摘しています。ブラジリア大学のアルトゥール・トリンダーデ教授は、「今のブラジル人は、恐怖の人質になっている。市民の多くは守られていないと感じている」と述べています。

 トリンダーデ教授はまた、「恐怖心と不安感は低所得層でより高くなっており、55%が軍警察に、62%が通りを歩く事に恐れを感じている。その理由は、低所得層地域は安全対策が脆弱で整備が遅れている」と指摘しています。同教授は続けて、「黒色や褐色系の市民は収入が少なく、居住地区も限られ、恐怖心や不安感を抱く人が多い。黒色系の57%が恐怖を感じるとしている」と述べています。

 調査を年齢や性別で見ると、不安感を抱く割合は高齢者や女性でより高くなっています。男性の52%が日没以降に通りを歩きたくないとしていますが、性的暴行をうける可能性もある女性は68%が外に出たくない、また高齢者の67%が怖いと回答しています。