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テメル大統領に新たな疑惑

 国内メディアが、テメル大統領が副大統領在任中の2011年に家族をサンパウロからバイーア州まで食肉加工大手JBS社オーナーのジョエズレイ・バチスタ氏が所有する小型ジェット機を利用し連れて行った、との疑惑を報じています。JBS社と親会社J&Fはペトロブラス汚職で捜査対象となっている企業で、同社幹部は司法取引でテメル大統領への違法な献金を証言しています。ジェット機利用の件は、テメル氏と同社の癒着ぶりを示すと注目されています。

 各メディアの報道では、バチスタ氏は「テメル氏が副大統領就任間もない11年1月、テメル氏と夫人がバチスタ氏の小型機で旅行をした」と証言し、飛行日の搭乗記録も提出しています。

 大統領府は、テメル大統領が民間所有の航空機で11年1月12日に家族を連れてサンパウロ市からバイーア州コマンダトゥーバへ移動し、テメル氏はそのまま副大統領職務をこなすためブラジリアへ向かったことを確認した、と発表しています。テメル氏はその飛行機が誰の所有か知らず、使用料金の支払いは行っていないとも発表しました。

 民間ジェット機利用の報道に大統領府は最初、「テメル氏がコマンダトゥーバへ行ったのは同年4月で、空軍機で移動した」と説明していました。その後、民間機を使用したと訂正しました。フォーリャ紙は、「バチスタ氏がテメル氏一家を迎えるため機内に花を用意したことに対し、テメル氏から感謝を伝える電話を受けた」と、裏付けとも言える内容を報じています。