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麻薬取引に積極的な女性増加

 国内メディアによると、サンパウロ州刑務所管理局の調査で、州内の刑務所など刑事収容施設にされている女性が10年で90%も増加しているのが判りました。2007年には6531人だった女性収容者が17年には1万2438人に増加しています。サンパウロ市郊外のカンピーナス市の施設に収容されている女性たちが犯したので最も多いのは麻薬取引で、昨年1年間に8434人が勾留されました。窃盗などの盗みで捕まったのはは約2300人でした。

 カンピーナス市の文民警察薬物警察署署長は「多くの女性が夫やパートナーに代わって組織内で重要な立場に就くようになっている」と、麻薬取引における女性の役割が変化していると指摘します。「現在、多くの女性が取引を指揮する立場に立っている。女性が指導的な役割を果たすようになっており、ビジネスパートナーと言ってもいいほどだ」と付け加えました。

 組織犯罪の罪で勾留された女性は、15年の62人から昨年は87人に、誘拐罪で勾留された女性は145人から160人へ増加し、殺人罪で勾留された女性も649人から673人に増加しています。

 政府は、女性被収容者の急増に対応するため、過去6年間に2億6500万レアルを投じ、女性専用施設5カ所を新設しています。同州刑務所管理局によれば、女性用の古い刑事施設は男性用の施設を改造したものでしたが、新設は前例のない措置としています。今年3月に建設された最も新しい施設は、授乳専用のエリアや多目的利用のステージ、収容者を再教育する部屋も整っています。