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9四半期ぶりプラス成長 景気後退終了には疑問符も

 2015年第1四半期(1~3月)から8四半期連続もマイナス成長を続けていたブラジル経済が今年第1四半期にようやくプラス成長に転じました。ブラジル地理統計院が、17年第1四半期の国内総生産GDP)は前期(16年第4四半期)比で1.0%拡大した、と発表したものです。ただ、16年第1四半期比では0.4%減、今年第1四半期までの4四半期累計は2.3%減と依然マイナス成長になっています。国内メディアの報道です。

 この結果,政府関係者は、ブラジルはようやくリセッション(景気後退)から脱したと喜んでいます。ミシェル・テメル大統領も、「リセッションは終わった。我々の施策が功を奏し、プラス成長に戻った。さらに改革を進めることで成長が続く」とSNSに投稿しています。エンリケメイレレス財務相は、「景気後退に陥ってから2年経ち、ブラジルは100年間で最悪の不況を脱した」と声明を発表しました。

 これの対し多くのエコノミストは、「回復の明らかな兆候がすべての分野において見られず、この先の数カ月間についていくつかの疑問も残っており、不況の終結を宣言するのは時期尚早だ」としています。エコノミストのこうした分析は、テメル大統領の不正関与疑惑に端を発する新たな政治的危機の噴出が背景にあるようです。