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大統領辞任求めるデモが暴徒化

 国内メディアによると、ブラジリア連邦直轄区ブラジリアの官庁街で24日、テメル大統領の辞任を求め、現政権が進める社会保障制度および労働法制改革への反対を訴えるデモが行われました。労働組合組織や学生団体、社会運動グループなどの呼びかけによるもので、直轄区公共保安局は4万5000人が参集したと発表しました。参加者は正午ごろから、直轄区のマネ・ガリンシャ競技場前から国会議事堂に向け官庁街を行進、官庁街は車両通行止めになりました。

 抗議行動は最初平和的に行われていましたが、一部のグループが警備要員へ投石したり、省庁建物を破壊したりして鎮圧にあたる警官隊と衝突、現場が大混乱しました。顔を覆った20人ほどのグループが国会前広場の近くを封鎖する警察官に投石し、現場にあったプラスチック容器に火をつけるなどの行為で現場は混乱に陥りました。

 警察機動隊はデモ参加者に向けて催涙ガス弾、非致死性弾などを使用し鎮圧に努めましたが、覆面のグループは省庁の建物のガラスやバス停、簡易トイレなどを破壊し始めました。グループは大聖堂を含む8つの建物を破壊し、3省の建物に放火しました。この騒動で武器の所持、暴行などで7人が拘束されました。

 この騒動で大統領は軍隊の出動を命じ、陸軍から1300人、海軍陸戦隊から200人が派遣され、官庁街の警備にあたりました。大統領は翌25日、法と秩序が回復されたとして軍の撤収を命じました。同件についてジュングマン国防相は、マイア下院議長からの要請に応じたものと説明しましたが、マイア議長は「自身が要請したのは国家治安部隊の派遣だった」と語っています。

続出する大統領弾劾の訴え
 テメル大統領は、ペトロブラス汚職など複数の案件で捜査されている大手食肉企業JBSのオーナーの証言で司法妨害汚職の疑いが浮上、最高裁が大統領の捜査開始を許可しています。大統領の疑惑が浮上して以来、下院事務局には25日までに16件の大統領弾劾手続き開始請求が出されており、ブラジル弁護士会も請求を提出しました。

 今回の疑惑とは別に、テメル大統領がジルマ前大統領と当選した2014年の選挙の時、政治的・経済的権力を乱用しペトロブラス汚職の資金を受け取った疑いがあると社会民主党が当選無効を訴えている件で、高等選挙裁判所は6月6日から審理を開始する予定です。