中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

リオ州のATM爆破事件はPCCが指導

 リオ・デ・ジャネイロ市および同都市圏で銀行支店のATM(現金自動預け払い機)が連続して爆破される事件が起きていますが、同州検察局は実行犯をサンパウロ州を拠点とする犯罪組織PCC(州都第一コマンド)のメンバーから訓練を受けた人間とみています。リオでは22日までの1週間に6カ所でATMが爆破されています。これまでのケースだと、犯行グループは武装した10~15人で、車両に分乗し現場へ移動、深夜3~4時ごろ約10分間でATMを爆破しています。犯行後は警察車両の追跡を妨害する突起物を路上にまいて逃走しています。

 地元メディアによると、リオ州検察局組織犯罪撲滅特別行動グループが9カ月間にわたって捜査を続け、リオ州の犯罪組織コマンド・ベルメーリョ(CV)と繋がりのある犯罪者がPCCから爆弾の取り扱いや配置に関する指導を受けていることを突き止めました。PCCとCVは昨年末まで同盟関係にありました。捜査官は「奴らは単にATMを爆破するだけではない。サンパウロ州の犯罪者が長年にわたってこの種の犯罪を続け紙幣が損傷しない破壊技術を習得、リオへ移動しその技術を教えている」と指摘しています。

 ATM爆破を狙う犯罪組織が直面していた問題は、爆発時に紙幣が損傷し使用出来なくなることでした。ATMには、熱で爆発を感知して紙幣を利用できない状態にする装置が設置されているためです。ところが犯罪組織は、紙幣が収納されている部分を保護し爆発させる爆薬の配置方法を取得しているのです。

 検察局は20日、昨年以来リオ州でATMの破壊を行っていたとみられるグループの強制捜査をリオ州、サンパウロ州で行いましたが、犯人グループの一斉検挙とはいかず、容疑者の一部は現在も逃走したままです。