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日系3世のエンジュさん 日本で歌手デビュー

 日本音楽サンパウロ州ジュニア大会や日本音楽ブラジル全国大会で優勝し、2013年の県連主催フェスティバル・ド・ジャポンのミス日系コンテストで「ミス・サンパウロ」に輝くなど、実力派のエンジュ(本名=島田デボラ・エンジュ、3世)が今月、歌謡曲「いとおしい」をひっさげて日本の芸能界に歌手デビューしました。「いとおしい」の作詞・作曲を手がけたのは中村泰士氏で、エンジュのプロデュースも行っています。

 エンジュは7歳の時、歌の指導者だった祖母の故、延寿(えんじゅ)ヨネコさんに日本の演歌を教えてもらったことがきっかけで、日本文化に興味を持ち、歌だけでなく和太鼓や三味線にも興味を持ち、現在では両方とも高い演奏技術を身につけています。

 作詞・作曲をした中村氏は、細川たかしの「北酒場」やちあきなおみの「喝采」など、数々のヒット曲を出しています。歌手の育成でも定評があり、今年78歳になる同氏は「年齢的に、これが最後かな」と語っており、「中村氏、最後のプロデュース」としてスポーツ紙などが早くも注目しています。デビュー曲に関して中村氏は、「売り上げ2万枚、ファン20万人を最低保証します。レコード大賞新人賞を目指したい」と強気の宣言をしました。

 9日、中村氏が大阪を「歌謡曲の聖地」にしようと企画した音楽イベント「レインボー1万人の歌謡曲」が大阪で開催され、エンジュは同イベントに特別出演、約1万人の前で「いとおしい」を熱唱しました。

 1万人という大観衆の前で歌ったのは3年前に来日してから初めてというエンジュは、「緊張と快感が混じったような、舞台で歌う時に感じる独特な感覚を今回も持つことができた。ブラジルで歌う時、子どもの頃から感じていたものと同じです」と話しました。

 写真は「レインボー1万人の歌謡曲」で熱唱するエンジュさん(株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー提供)=サンパウロ新聞より=f:id:ncb:20170421140631j:plain