中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

大卒の路上生活者が増加

 リオ市役所が調査、発表した「路上生活者への支援及び社会的包摂プラグラム」によると、同市内で路上生活している大学卒業者が2015年から16年にかけて75%も増加、40人から70人になっています。国内メディアが報道しました。

 同市内中心部はもともと路上生活が多い地域です。路上生活者の多くは家賃や交通費の金が無く、仕事場に近い場所の市内中心部路上で寝泊まりするためです。

 オフショア企業で海洋市場の仕事に従事した経験を持つ路上生活者の男性は、「(路上生活している)エンジニアや多国籍企業の元財務管理者、弁護士を知っている。そんな人が路上で暮らしている。もちろんドラッグのせいじゃない。薬物使用者もいるが、(路上生活をするようになった)人の多くは不況が原因だ」と話しています。同氏は、市場を襲った金融危機が彼や大卒の人々を路上での暮らしに追いやったと指摘しました。

 公共保護局と検察庁の建物の脇で客待ちをしながら2年間、路上生活者の様子を見てきたというタクシー運転手は、「彼らの多くは働いている。朝5時半頃からリュックを持って仕事に向かう。私は約2年間それを見てきた。路上生活者の数は徐々に増加してきている。彼らの会話を聞いていると、高い教養を持っている人が多い」。運転手は生活苦で路上生活を強いられているとしています。