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日本人女性が銀行で現金を騙し取られる

 カーニバル開催中だった2月24日、サンパウロ市内の日本人女性(70代)がブラジル銀行支店内で行員を装った日系人と見られる東洋系の男に1500レアル(約5万4000円)を騙し取られる事件が起きました。被害に遭った女性が先ごろ明らかにしたものです。女性は直後に本物の行員に被害を訴え警察へ必要書類を提出したため、同銀行から被害額1500レアルが戻され事なきを得ました。同様の被害が銀行で相次いでいるようです。

 被害に遭った女性は事件の顛末を次のように説明しました。
 彼女がサンパウロ市内のブラジル銀行支店で24日、ATM(現金自動預け入れ払い出し機)で支払いと現金の引き出しを行おうとしたところ、年齢30代前後の痩せ型で身長160センチほどの日系人と思われる小柄な東洋系の男が、白いカッターシャツに黒いズボンという比較的きちんとした身なりで近づいてきた。彼女が「あなたはブラジル銀行の行員ですか」と尋ねると、男は何も言わずにわずかにうなづき、女性が所持していたATM用のカードを強引に取り上げるとATMを前にして彼女の右側に立ち、指紋認証を行わせた後に慣れた手つきで支払いの操作を行った。

 男はその後、現金引き下ろしの操作を求めてきたが、不審に思った彼女が引き下ろし作業を行わずにエストラット(残高証明書)を確認していたところ、その間に男が勝手に現金の引き下ろし手続きを行った様子で、その際に左側後方から別のブラジル人の男が彼女に紙切れを差し出してきた。女性は「何か様子が変で気持ち悪い」と思ったが、紙切れに気を取られた後に前を見ると、東洋系の男がATMの画面の前に背を向けて立ちふさがっていた。彼女が「前をどいて」と言ったにも関わらず、男は立ちふさがったままだった。その後、すぐにまた左側後方からブラジル人の男が紙切れを再び女性に手渡してきたすきに、東洋系の男は姿をくらましてしまった。

 女性は現金を取られたと判り、本物の行員を呼んで事の次第を説明、行員が女性の口座の残高を調べ1500レアル引き出されていることを確認した。銀行の防犯カメラには東洋系の男と彼女の姿が映っており、銀行側も行内で犯行があったことを認め,返金に同意した。

東洋人を含む犯罪グループ
 彼女が盗まれた直後にブラジル銀行の行員に状況を説明していた際、周りにいたブラジル人女性が「私の知り合いも同じような手口で、日系人と思われる男に金を騙し取られた」と話していることから、グループで犯行を繰り返していると見られます。
 被害女性は「銀行に行くなら、銀行がきちんと開いている時間に行く必要がある」と、今後は被害に遭わないよう自戒しています。