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食肉検査不正の捜査対象企業の輸出停止

 地元メディアによると、国内の食肉加工業者の衛生検査で業者側からの賄賂の見返りに農牧供給省検査官が手心を加えた事件で農牧省は20日、同件で捜査対象となっている21の加工施設に対する輸出許可を停止すると発表しました。

 連邦警察が17日に始めた捜査で、賄賂の支払いのほか、不適切な加工、化学薬品を使った古い肉のごまかしなどが行われていたことが明らかになっています。同事件を受けて中国、韓国、チリ、欧州連合がブラジル産食肉製品輸入の一時停止、検査強化などの措置を採り、欧州連合は捜査対象となった企業の輸出停止をブラジル政府に求めていました。(筆者注:日本もブラジルからの食肉輸入の検査を厳しくしています)。マッジ農牧相は各国からの情報提供の要請に対応していくとしています。

 輸出停止となった企業の製品の国内市場での販売は、特別検査体制の下で継続して行われます。20日午後マッジ農牧相は、国内市場においてはより管理が行き届くことを挙げ、「現在も小売店等において捜査対象工場の製品のサンプル調査を行っている。仮に問題が検知された場合は商品回収等の措置を採る」という考えを述べました。

市民は肉を食べないと怒り
 ブラジルから筆者に寄せられた情報によると、国内はパニック状態にあり、食肉の売れ行きが一気に下降しています。市民たちは、「もう肉を食べる気がしない」という人もいて、スーパーの中には売り場から肉を撤去する店もあるそうです。