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食肉検査めぐる不正疑惑 約30社捜査

 地元での報道によると、連邦警察は17日、国内の食肉加工業者の衛生検査で不正が行われていた疑いで、国内6州および連邦直轄区で強制捜査を行いました。食肉加工業者が農牧供給省の衛生検査官に賄賂を贈り、基準に適さない食品の衛生許可を得て国内外で販売していた疑いがもたれています。

 捜査対象は大手を含む食肉加工業者30社で、5カ所の工場に対しては業務一時停止の措置が採られました。勾留された関係者の中には大手食肉業者の重役も含まれ、関与が疑われる農牧省検査官は免職処分となっています。

 17日の捜査は1100人の連邦警察捜査官が参加した過去最大規模になり、27件の予防勾留令状と11件の一時勾留令状、個人・企業に対する計190件以上の捜索・押収令状が出され、パラナ、サンパウロ、サンタ・カタリーナ、リオ・グランデ・ド・スル、ミナス・ジェライス、ゴイアスおよび連邦直轄区の各地で強制捜査されました。

 サジア社やペルジゴン社の親会社BRF社や、セアラ社やビッグ・フランゴ社の親会社JBS社など、国内の主要な食肉加工業者も捜査対象になっており、パラナ州連邦裁判所は捜査対象者の資金10億レアルの封鎖を決定しました。

 今回の捜査は、農牧省の衛生検査官によって主導されていたと見られる不正の摘発を目的に行われ、関与した検査官は食肉業者から賄賂の支払いを受ける見返りに、検査を行うことなく衛生証明書を発行、基準を満たさない製品の生産を容易にしていました。食肉加工業者は賄賂を贈ることで、農牧省の検査官選考にも影響力を及ぼしていたと指摘されています。

 この捜査で、加工工場でアスコルビン酸を使って腐った肉の色付けが行われていたことや、期限切れ製品の再包装、腸詰製造の際に豚の頭の肉やボール紙が混ぜられていた事も明らかになっています。パラナ州第14連邦裁判所の判事は、農牧省検査官が賄賂を要求する際、「指」や「手袋」「書類」などの用語を使っていたと述べています。

 連邦警察では、2007年から16年まで、パラナ州の農務省事務所の監督だったダニエル・ゴンサルベス・フィーリョ検査官がこのグループを主導していたと見ています。09年から14年まで検査官を務めた現大手食肉企業の幹部ほか、同省の少なくとも他の8人の職員と組んでいたとしています

 強制捜査では、このグループに加わっていた疑いのある19人の検査官、大手を含む食肉加工業者の重役などのほか、腐った肉を使用したとして一部企業の従業員なども勾留の対象になりました。農牧省は同日、捜査対象となった5カ所の工場を業務停止にしたほか、疑惑への関与が疑われる職員33人を免職処分にしたと発表しました。

 テメル大統領は19日、ブラジルから食肉を輸入している各国の外交官と会い、今回の連邦警察の捜査対象となった食肉加工業者21施設の監査を行う特別チームを設置することを伝えました。調査を受けているのは農牧省1万1000人の職員のうち33人、国内4800以上の施設のうち21に過ぎないと述べ、今回の不正は一部のものが引き起こしたに過ぎないと説明しました。

輸入各国は輸入停止措置

 ブラジルから食肉製品を輸入している各国は、この事態に様々な反応を見せています。マッジ農牧相は同日、中国政府が同捜査についての説明を求め、説明がなされるまでブラジルからの輸入肉の貨物を港に留め置く措置を決めたことを明らかにしています。韓国はブラジルからの輸入鶏肉の検査を強化し、チリはブラジル産牛肉の輸入を一時停止しました。欧州連合も20日、ブラジルからの輸入肉を監視し、捜査で対象となっている施設からの輸出を一時停止するよう求めています。

 日本のメディアによると、厚労省は問題の工場1社から鶏肉を輸入しており、同工場で加工された鶏肉の輸入を保留にしています。ただ現在国内に流通している鶏肉に問題はないとしています。