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壁絵の消去、審議会の許可必要ない

サンパウロ州控訴裁判所は23日、サンパウロ市歴史的・文化的・環境的財産保存審議会の許可なしで市当局が市内の建造物などに描かれた落書きや壁絵を消去することを差し止め、これに従わない場合は1日につき50万レアルの制裁金を科すとした今月13日の一審の決定を覆しました。
 地元メディアによると、アルベス控訴裁判事は、市当局の独断による壁絵などの消去を差し止める市民からの要求は一般的なものであり、市役所が公共の場所や建物の維持管理を行うのを妨げていると述べ、さらに「審議会に委ねられる壁絵などの技術的評価は財物の保護の観点から行われるものだとし、市当局が落書きや壁絵を消去するにあたって同審議会の許可を得る必要はない」と結論づけています。
 無許可での消去を差し止めた一審の決定後、サンパウロ市役所は控訴し、「壁絵は保護されるべき文化的財産ではない。壁絵の消去は同審議会もしくは技術サポート機関の事前承認を必要としない」と主張していました。