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欧州で増加するブラジル人の入国拒否

 エスタード紙の報道によると、欧州各国の空港で入国を拒否されるブラジル人の数が増加しています。ヨーロッパ連合国境管理機関の調べでは、2015年第2四半期は579人だったブラジル人の入国拒否数が、今年の第2四半期には945人へと約60%増加しています。1日あたり10人が入国を拒否されている計算です。
 国境管理機関は各政府への報告の中で、「南米諸国民に対する入国拒否の件数が過去4年間で最高水準に達している」と警告しています。入国を拒否されている国民はブラジルとコロンビア両国民が多く、主な到着空港はポルトガルリスボンポルト、スペインのマドリードバルセロナです。
 ブラジル人の入国拒否は、15年第4四半期に705件、16年第1四半期に851人へと増加を続けています。今年入国を拒否された945人のブラジル人のうち、269人は欧州滞在の書類を持っていませんでした。140人は労働ビザが無く、約60人は滞在のための経済力を証明できませんでした。治安上から拒否されたのは21人でした。
 国境管理機関はブラジル人の入国拒否数が増加している理由については触れていませんが、欧州委員会筋の情報では、ブラジルの景気後退と欧州全域の国境警備の厳格化が理由と指摘しています。