中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

スマホより従来型ケータイが伸びる

 長引く不景気で消費者らの懐具合が非常に寂しくなったことなどを背景に、ブラジル国内ではインターネットに接続できない携帯電話が再び注目されるようになり、消費者の注目を集めています。今年第2四半期の販売台数の伸びは、スマートフォンスマホ)よりもフィーチャーフォンと呼ばれる従来型の携帯電話の方が大きく伸びました。国内メディアがIT(情報技術)専門調査会社のIDCブラジルの調査として報じました。
 IDCの調査によると、2016年第2四半期(4〜6月)のブラジル国内の携帯電話販売数は同年第1四半期(1〜3月)に対して23.1%増の1204万4000台に上りました。内訳は、スマホが1077万9000台、そしてフィーチャーフォンと呼ばれるある程度高機能な従来型の端末が126万5000台。対前期比での伸びはスマホが16.6%増で、各種アプリケーションソフトが無いフィーチャーフォンは38.4%増と、スマホの2倍を上回る伸びを見せています。
 IDCブラジルの調査関係者は「フィーチャーフォンは3G(第3世代移動通信システム)の接続が悪くまだ4Gが整備されていない農村部での需要が非常に大きい」と説明しています。
 各社はこぞって従来型の携帯電話の供給量を増やしています。IDCによると、「小売業者各社が多くの在庫を抱えているため、今年下期には小売りの現場で価格戦争に突入する。これらの機種の平均価格は134レアルだが、この先数カ月で下落傾向に向かうだろう」と指摘しました。
 IDCブラジルは、携帯電話市場はこの先数カ月の間さらに熱を帯びると予想しています。IDC関係者は「下期(7〜12月)、特にブラックフライデーとクリスマスの期間中には、販売ボリュームは素晴らしいものになるはず。メーカー各社はこれらの商機に賭け、そして新製品の発売を準備している。ドルの安定によって、価格はより魅力的なものになるはずだ」と話しています。