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ルーラ元大統領の起訴を連邦裁判所が受理

 地元メディアによると、クリチーバ第13連邦裁判所のセルジオ・モロ判事は20日、国営石油ペトロブラスをめぐる汚職で連邦検察庁が起訴したルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ元大統領の起訴を受理しました。ルーラ氏と同時に行われた同氏夫人、ルーラ研究所のパウロ・オカモト代表、OASのレオ・ピニェイロ元社長など同社関係者5人の起訴も受理しました
 連邦検察庁ペトロブラス汚職捜査特別班は14日、建設企業OASがペトロブラスと結んだ契約に伴う資金から、サンパウロ州アルジャー市の高級マンションの居室改修費用や大統領退任後の個人所有物保管料などの形で計370万レアルの不正な利益を得ていたとしてルーラ氏を収賄および資金洗浄の罪で起訴し、起訴発表の会見で、ルーラ氏がペトロブラス汚職捜査で汚職の「指揮官」だったと指摘しました。モロ判事は受理決定の文書で、ルーラ氏がOASからの資金の受益者であったことと、同氏がその資金がペトロブラス公的資金から詐取されたものであると知っていたことを示す形跡があると受理理由を説明しています。
 ルーラ氏はすでに、ペトロブラス汚職捜査を妨害したとしてブラジリアの連邦裁判所に起訴されており、今回の起訴でルーラ氏はペトロブラス汚職捜査で2件目の刑事訴訟被告となりました。
 起訴の受理に関してルーラ氏は、同氏支援のために米国ニューヨークで開かれた国際労働組合連合のイベントのテレビ会議で、起訴は「茶番劇」「大いなる虚構」「壮大な花火ショー」であると、「司法を信じている」と述べ、裁判で潔白を訴えていく意思を示しました。
 同氏の弁護側は声明で、起訴は不完全であり、証拠が示されていないと主張。「(ルーラ氏が)犯していない罪を負わせるもの」と指摘しています。またルーラ氏側は、同氏がアルジャーのマンションの所有者であることを否定し、個人所有物の保管に関してもOASから利益を受けたことはないと反論しています。