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広島東洋カープ優勝で日系社会も歓喜

 プロ野球広島東洋カープが25年ぶり7回目のリーグ優勝を果たし、ブラジル日系社会でも広島県人会(平崎靖之会長)を中心に歓喜の声が広まっています。同県人会では16日に祝勝会を開く予定です。

同県出身者が次々喜びの声

 広島県人会の平崎会長は少年時代からカープファン。12歳の頃にサンパウロ日系人街(当時の呼称)で野球を始め、チーム名を「カルパ(ポルトガル語カープという意味)」と名づけていました。新聞で試合結果を毎日確認し、優勝決定戦はテレビの前で応援しました。「1、2、3番の選手は特に素晴らしかった」と称賛していました。
 25年前の6回目のリーグ優勝時は県人会あげて祝勝会を行ったという同県人会の村上佳和副会長は、「あの頃の県人会は戦前移民の一世理事が多く、元気があった。25人ほどの会員が集まってお祝いをした」と当時を振り返ります。「広島はカープ(鯉)だけに毎シーズン初めの『鯉のぼり』の頃は調子が良く、鯉のぼりが下りる頃になると成績が下がる。前田健太投手が抜けてどうなるかと思ったが、黒田(博樹)投手が戻ってきて、投げて良し、打って良しのチームワークで突っ走った」と語りました。
 広島県江田島市出身の梅田邦夫在ブラジル日本国大使は、「25年ぶりの優勝とは信じられないが、ものすごく嬉しい」と率直な感想。10日の優勝を決めた巨人戦で先発ピッチャーとして好投した黒田博樹投手と阪神から戻ってきた新井貴浩選手のベテランが若手を引っ張ったことに触れ、「2人に感謝したい」と話しました。
 広島県出身の在サンパウロ日本国総領事館、中前隆博総領事も「ヘルメットが現在の赤色に変わる前から」の筋金入りのカープファン。優勝決定戦で勝利がほぼ決まったにも関わらず、浮かれることなく試合を真剣に見つめる選手が印象的だったと話し、「一ファンとして純粋に嬉しく思う」と25年ぶりの優勝を賞賛しました。
 ブラジル被爆者平和協会会長で、広島カープが1950年に創設された時からのファンだという森田隆さん(92)は、「どこに住んでいても私はカープファン。(10日の)巨人を相手に勝って優勝したことに感銘を受けました。広島県人として本当に嬉しい」と満面の笑みを見せました。
 1996年から2004年まで同球団に在籍していた玉木エンリケ重雄さん(45)は「チームの一員として優勝を目指して9年間プレーをしたが、優勝できなかった。その時、一緒にプレーした選手がチームに残っており、そういう意味でも元選手としてまた一ファンとして、とても嬉しい」と話しました。同球団には現在、日系2世の仲尾次オスカル投手(25)が在籍していて、玉木さんは「1年目での優勝は幸運。これからも頑張ってもらいたい」と後輩にエールを送りました。