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チクングニア熱の報告急増

 フォーリャ紙の報道によると、ブラジル国内でチクングニア熱の症例報告が急増しています。今年上半期の報告件数は昨年同期の10倍にも達し、汎米保健機構(Opas)はブラジル国内で確認された感染者は米州全体の88%を占めるとしています。
 チクングニア熱デング熱、ジカ熱と同じくネッタイシマカによって媒介される病気で、今のところ治療法が確立していません。症状は発熱や手足の関節の激しい痛みで、それを和らげる薬物療法が行われているのみです。少なくとも患者の20%は、慢性的な関節炎や関節症を患うようになるといわれます。
 今年上半期の症例報告は17万件に達し、昨年同期の1万7000人から10倍に増えています。昨年は6人だった死亡者数も、今年7月までで38人に上っています。
 サンパウロ州保健局疾病管理部門コーディネーターのマルコス・ボウロス医師は、「チクングニア熱患者は雪ダルマ式に増えている。ブラジル国内で流行状態にあることは間違いない」と述べています。症例が報告されている都市は全国5570市のうち2154市に及んでいます。昨年度は696市でした。サンパウロ州の報告件数も、他州と同様に増加しています。8月初めまでに州内で4987件の症例が報告され、内834件で感染が確認されました。15年は1505件の症例報告で、感染が確認されたのは189件でした。

後遺症が残る患者も

 同州保険局のボウロス医師によれば、ほとんどの場合症状は6カ月以内に消えるが、一部の患者に後遺症が残ると指摘しています。こうした患者はリウマチなどの専門医の診断を受けたり、高価な医薬品を購入する必要があるほか、リハビリ治療が必要としています。