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人種差別的発言で女性勾留=ブラジリア=

 地元での報道によると、ブラジリア連邦直轄区にあるスーパーマーケットで28日、文化プロデューサーのブラガさんに人種的侮辱と人種差別的な発言をしたとして77歳の女性が文民警察に勾留されました。「恥知らずの黒人」「教育のない黒人」などど罵られたブラガさんが警察に被害届を提出したためです。勾留された女性は高齢であることから29日には釈放されました。
 被害者のブラガさんは、「スーパーのレジの列で待っていると女性が近づいて来て、自分の髪が自然の髪なのか鬘(かつら)なのか聞きながら髪に触ってきた。髪に触らないよう丁寧に頼んだが、声高に黒人が嫌いだなどどと侮辱された。その場にいた周囲の人に不快感を与えないよう買い物を続けたが、スーパーの買い物用カートを返そうと戻ったら、この女性に再び侮辱され、2度も唾を吐きかけられそうになった」と説明しました。
 ブラガさんは警察に通報する事にし、警察が到着するまで帰らないよう女性に告げました。女性は外務省の身分証明書を見せ、「自分には手出しは出来ない」と告げたそうです。現場に警察が来なかったため、女性の承諾を得て身分証を写真に撮り、警察に被害届を出しました。
 警察によれば、被害届が登録された後、警察が加害女性宅を訪れて勾留しました。この女性は警察署でも人種差別的な態度を示していました。事情聴取の際に取調官の髪にも触れようとし、叱責されると声高に「自分の手を汚したくないのでもう触らない」と罵ったそうです。取り調べでこの女性は、ブラガさんに対する侮辱的な発言を否定し、単に髪の毛をほめただけだと供述しています。女性の息子は警察に「母は飲酒の問題がある」と話しています。
 ブラガさんは、人種差別的な態度への警告のためにも、「加害者を裁判にかけて欲しい」と語っています。