地元メディアによると、米ハンバーガーチェーンのマクドナルドは2017年にブラジルで初の「グルメ化されたファストフード」のモデル店舗をサンパウロ市内にオープンします。ファストフードチェーンはマニュアルで標準化されたサービスを提供するのが通常ですが、マクドナルドの取り組みは今まではとは違ったサービスを提供しようという試みです。ラテンアメリカ地域で同チェーンを展開するアルゼンチンの企業、アルコス・ドウラードス社のパウロ・カマルゴ社長は「我々は他の市場でテストされている新しいものを導入する」と話しています。
米国では、客が材料の一部を選んでハンバーガーをカスタマイズしたり、従業員が客席まで注文を取りに来るといった接客サービスを行う店がすでに存在しています。朝食メニューを終日提供するという店もあります。
ブラジル国内のマクドナルド店でも、接客サービスで変更が行われ始めています。調理場で働かない従業員らはユニフォームのキャップを被る必要がなく、顧客に対して注文時にハンバーガーをカスタマイズするためのメニューを用意する店舗も現れています。
まだまだ伸びる市場
市場調査やコンサルティング業務を手掛けるGS&MDグループの調査ディレクターで、ブラジル・フードサービス研究所(IFB)のメンバーであるエドゥアルド・ヤマシタ氏は、「ファストフードにおけるサービスの変化は、消費者がマニュアルにないサービスを求め始めたためだ。レストランのようなサービスを求める層が多くなっている」と話しています。同氏によれば、ブラジルの外食チェーンの売上高は合計1780億レアル(約5兆3400億円)で、ファストフードチェーンはこのうちの27%を占め、市場はまだまだ伸びる要素があると指摘しています。