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リオ州で性的暴行事件が頻発

 地元メディアによると、リオデジャネイロ州公共保安局公共保安研究所の調べで、今年に入ってから4カ月間に1543件の性的暴行事件が起きていることが判りました。1日平均13人がレイプされている計算になり、全国に衝撃を与えています。
 今月21日にもリオ市西部のファベーラ(貧困層居住地区)で16歳少女への集団による暴行事件が起きました。被害に遭った少女は、警察に対し、3年間交際していた男性の家に行き、2人だけで過ごしていた所までは覚えているが、その後は翌日までの記憶がなく、意識が戻った時には別の家にいて、ライフルや銃で武装した33人の男たちが取り囲まれており、裸の状態だったと話しています。当局は、少女は薬物で昏睡させられていたと見ています。
 この事件は、暴行時の映像がソーシャルネットワーク上に投稿されたことで発覚しました。この事件を知った女性たちが、国内各地で抗議行動を行い、海外でも報道されました。リオ州文民警察は、事件に関わったとみられる容疑者4人の逮捕状を要請、捜査を続けています。
 同公共保安研究所によると、同州で1〜4月に最も多くの性的暴行事件が記録された場所はカーボ・フリオ警察が管轄する地域で、既に98件に上っています。今年の4月だけで、同州では強制わいせつ事件を含む428件の性的暴行事件が起きました。昨年4月の件数は420件でした。

全国では11分に1件のレイプ事件

 ブラジル公共保安フォーラムの最新データでは、2014年に全国で報告された性的暴行事件は4万7646件。13年(5万320件)よりは減少しているものの、現在でも11分に1件の割合でレイプ事件が起きています。
 ミシェル・テメル大統領代行は27日、連邦警察に女性に対する犯罪撲滅の専門部署を設置する事を発表しました。大統領代行は自身のツイッターで、「サンパウロ州公共保安局に女性専用警察署を設置したように、連邦警察に専門の部署を設置する。この部署は、各州の情報をまとめ、全国での捜査を監督する」と説明しています。