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混乱する船出した暫定政権

 12日にスタートしたミシェル・テメル大統領代行政権は、10日間を過ぎても省庁再編、政策などをめぐり混乱が続いています。
 地元での報道によると、代行政権が最初に非難されたのが新しく就任した大臣が全て白人の男性で占められたことでした。大臣が全て男性だったのは軍政時代以来のことです。それに加え大臣にはペトロブラス汚職の捜査対象になっている人物もおり、批判の声が高まっています。
 次いで、大臣を減らすために行った省庁の統廃合が大きな批判にさらされました。特に文化省と教育省の統合が問題視されています。文化省は1985年に設置された省で、これの統合に文化人の多くが挙って反対、各地の同省関連施設などが占拠される騒ぎになりました。この騒ぎに代行政権は慌てて文化省の再設置を表明する混乱ぶりです。
 経済面での政策でも躓きが見られます。メイレレス財務相は財政難に対処するため増税の方針を打ち出していますが、閣内や業界から反対の声が上がり頓挫しそうな状勢です。また提案した社会保障改革も反対意見が強く、今の状勢では行き詰まる可能性があります。統一医療システムの改革案も、もくろみ通りには進みそうもありません。船出した新政権の前途は、洋々とは言えない現状です。