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着々と進む大統領弾劾

 下院議会でジルマ大統領弾劾の第1弾として下院議員による投票が行われ、下院議員の3分の2以上が賛成し上院で審議されることになりました。上院では10日以内に審議が始まります。
 日系議員の解説では、上院の審議はジルマ大統領を180日間停職処分とし調査を行うかどうかを決めるもので、上院議員の半数以上が賛成すれば大統領の停職が成立します。今のところ上院の半数の賛成は間違いないと言われており、ジルマ大統領は180日間停職に追い込まれそうです。
 大統領が停職になると、テーメル副大統領が大統領代行となり、ジルマ大統領の与党・労働党議員を外して連立政権を作ることになります。大統領の停職が切れる180日後に再度、上院議会でジルマ大統領の弾劾裁判を実施するかどうかを決める採決をします。上院議員の3分の2が賛成すれば弾劾裁判が始まります。
 上院議員は80数名しかいなく、3分の2の賛成票を得るのはかなり難しいと見られます。テーメル大統領代行は労働党議員を外して連立政権を作るため、労働党以外の政党は間違いなく賛成票を投じると思われますが、それでも3分の2の賛成票が得られるかどうか、予断を許さないようです。

高まるジルマ大統領NO

 有効な経済活性化策を打ち出せなかったジルマ政権に対し金融市場は、失望感が充満しています。同政権が続く限り経済は下降線をたどるという見方からドル高レアル安が続き、US$1=R$3,900程度のレアル安で推移しています。ところが、ルーラ前大統領が逮捕されるのではないかという憶測が飛んだ2週間前にはUS$1=R$3.500程度までレアル高が進み、株価も上昇しました。市場は一斉にジルマ政権にNOを突きつけ、政権交代に期待感を示しました。
 下院での弾劾決議では。株価、為替レートともに大きな変化は見られませんでしたが、市場はジルマ大統領弾劾を織り込んだとする向きもあります。最高裁判所は明日にも、ルーラ元大統領の官房長官就任を認めるか否かの判断を下します。この判決如何で政局は、一荒れしそうです。