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テメル副大統領の弾劾請求 メロ判事が下院に審議開始求める

 地元メディアによると、今年1月、クーニャ下院議長(民主運動党)が保管措置としたミシェル・テメル副大統領(民主運動党)の弾劾手続き開始請求について、最高裁判所のマルコ・アウレリオ・メロ判事が5日、クーニャ議長に対し弾劾請求を受理し特別委員会で審議する手続きをとるよう命じる仮処分を出しました。クーニャ議長は、最高裁大法廷での同仮処分について審議が行われるよう申し立てを行う意向です。
 副大統領の弾劾請求は、昨年12月にマリエル・マーラ弁護士により提出されました。15年に出された追加支出を可能にする4つの大統領令に副大統領として署名したことが背任罪に当たるとしています。これはジルマ大統領(労働者党)が弾劾請求されているのと同じ理由です。大統領の弾劾請求は現在下院の特別委員会で審議されており、早ければ11日に委員会での採決が行われる見通しです。
 クーニャ議長はテメル副大統領が背任の罪を犯した証拠がないとして請求を保管措置としていましたが、この決定に対してマーラ弁護士が最高裁に弾劾請求を行うよう申し立てていました。
 ジルマ大統領の弾劾請求が下院で承認され、上院で弾劾手続き開始が承認されれば、大統領は180日までの一時離職となり、テメル副大統領が職務を代行します。最終的に大統領が弾劾されれば、テメル氏が大統領に就任します。今回のメロ判事の仮処分によって、テメル氏が大統領に就任しても、ジルマ大統領と同じ状況に直面する可能性が出てきました。