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小児科医が労働者党所属市議の息子の診察を拒否

 エスタード紙によると、ブラジル南部のリオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ市で、小児科医が与党労働者党所属市議の息子の診察を拒否しました。同市の補欠市議で労働者党のアリアネ・レイトン氏は2週間前にルーラ前大統領が官房長官に任命され、その後大統領とルーラ氏の傍受通話記録が公開された後、1歳の息子を診察する小児科医から診察継続を拒否するメッセージを受け取りました。同市議によると、医師は息子を生後1カ月の時から診ていました。送られたメッセージには、今後診察の予約を入れないでほしいとありました。同医師は、官房長官任命と通話記録公開によるルーラ氏への批判の高まりに触れ、「私は、あなたの息子の小児科医となる最低限の状況にもない」と記していました。
 レイトン市議がこの事をソーシャルネットワーク上に掲載したため反響を呼びましたが、同州の医師会は小児科医を擁護し、「同医師は医療倫理規範を尊重している」と述べました。同市議は医師からのメッセージを受け取ってショックを受けたとし、「子供に対する人権侵害」であり、「職業倫理を侵している」と訴え、「同医師は他の医師を紹介することもせず、母親である私たちにとって、息子の医師との信頼関係は自分のかかりつけの医師との関係よりも大きい。衝撃的で、驚きであり、憂鬱でもある。赤子に対して憎しみを表すことと同じ行為だ」と語っています。法的訴えるかどうかは弁護士と検討中としていますが、地域医学審議会には通報済みとしています。