中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

清酒に比べ、盛り上がらない焼酎人気

 世界的な日本酒ブームに乗りブラジルでも日本酒人気が出ています。ただ清酒と違い焼酎(しょうちゅう)は販売店に陳列されているのが少なく、レストランでもメニューの中にあまり見かけません。サンパウロ市の酒類販売業者によると、ブラジル国内で焼酎人気は低く、焼酎を飲む人の9割は日系企業駐在員や1世の日本人に限られています。特に在ブラジル日本人に人気の高い芋焼酎は、ブラジルへの輸入が難しい状況にあり、国内で焼酎人気のなさに拍車をかけているようです。

焼酎はアルコール度数が高すぎる

 芋焼酎には醸造用アルコールが添加されているため、販売業者は「芋焼酎にはブラジル政府の定める基準以上のアルコールが含まれている。これが輸入の障害になっている」とアルコール度数の高さが問題と指摘します。同社でもブラジル政府に何種類かの芋焼酎輸入許可申請を行いましたが、「不許可になるケースが多く、非常に輸入は難しい」そうです。審査に通り輸入しても販売許可は1年のみで、1年後に再度申請する必要があります。再申請しても審査を通過する可能性は低く、次回また輸入できるとは限らないのが現状です。
 醸造用アルコールを含まない米、麦、蕎麦などの焼酎を輸入しても芋焼酎の人気に及ばず、市場には焼酎自体が出回っていないため、ブラジル人の焼酎認知は進まないようです。
 業者は「日本酒は『高い酒を飲む』というステータスとしてブラジルに根付いた。日本政府が普及に本腰を入れてることもあり、今後も人気は続くだろう。焼酎は輸入が難しい状況なので、ブラジルへの浸透は望めそうもない」と嘆いています。