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全国で「ジカ・ゼロ作戦」を開始

 各メディアによると、ジカウィルスを媒介するネッタイシマカの駆除と市民の啓発を目的とした連邦政府のキャンペーンが13日から始まりました。軍から22万人が動員され、ジルマ大統領はじめ28閣僚も参加、運動を盛り上げています。大統領は8月に五輪を控えるリオを訪れ、リオ市内でネッタイシマカ駆除の共同活動に参加、国民が駆除活動に取り組むよう要請しました。
 新生児の小頭症との関連が疑われているジカウィルスについて厚生省は、12日の時点で国内で小頭症と確認された新生児は462人。うち41件について、ジカウィルスの検査で陽性を示したと発表しました。このほか3852件について調査が継続されています。同省へ報告された91件の乳児死亡のうち、24件が小頭症と確認され、その他は調査中。同省によれば、現在国内22の州・連邦直轄区でジカウィルスが確認されています。
 大統領は訪問したリオで、「ジカ・ゼロ」の文字がプリントされたシャツを着てキャンペーンを開始、8月の五輪を控えるリオをはじめ、対応が急がれる都市での活動を優先的に進める意向です。大統領は、ネッタイシマカについての意識向上がキャンペーンの目的と語り、「市民の助力なしにはできないこと」と呼び掛けました。
 サンパウロ市では陸・海・空3軍の約5000人が町に出て、啓発パンフレットの配布などを行ないました。ロドリゲス交通相はハダッド市長と東部のグアイアナゼスを訪問。同じネッタイシマカが媒介するデング熱の発生が確認された住居での殺虫剤噴霧のパフォーマンスに参加しました。市長は現地で、ネッタイシマカの繁殖源把握の一助として、以前繁殖が確認された居住者のない住宅のチェックにドローン(小型無人飛行機)を利用する考えも明らかにしています。
 今後は15から18日までの間に約5万5000人の軍人により、270市で活動が実施されます。さらに今月19日から3月4日までの期間は、大学を除く公立・私立の学校で啓発活動が行なわれます。