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不況で修理して再利用する人が増加

 フォーリャ・デ・サンパウロ紙によると、失業の増加と所得の実質減によってサンパウロ市民の物品購入ペースに変化が生じ、玩具や車、高級靴から運動靴、持ち家まで再利用する人が急激に増加しています。サンパウロ市フェコメルシオ指数は、2015年末の市民の消費性向は10年の調査開始以来最も落ち込みました。経済顧問のギリェルメ・ディーツェ氏は「人々は購入を止め、修理して再利用するようになっている」と語っています。
 国内に21の裁縫店を持つ「リーニャ・エ・バイーニャ」では、修理や調整の依頼が30%増加し、「破れたり穴の空いた服、長期間しまっていたものなどを再利用するようになっている」と話しています。ピニェイロス区の「運動靴病院」でも修理は1カ月待ちの状態で、「昨年11月以来仕事量が60%も増えた」と従業員は話しています。同店は有名メーカーのスポーツ靴の修理を専門としており、顧客が修理に持ってきた靴の中には1000レアル相当のものもあったそうです。修理費は50レアル以下で、修理を依頼した自営業の男性は、「節約しないといけない。今は別の靴を買う余裕がない」と話していました。
 気に入らない衣服はタンスにしまって置いたり、いらなくなった冷蔵庫は新品に買い換えていたのが見られなくなり、新品の売れ行きが落ちています。今は中古品市場に活気が出ており、中古品を売買するウェブサイトの利用者が増えています。自分で修理ができるよう勉強する人も現れ、自動車修理や不動産のリフォームの増加で、部品や建築資材の売り上げが増加しています。