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サッカー競技2会場で芝生や改修に遅れ

 地元メディアによると、2014年のサッカーW杯ブラジル大会で使用されたマナウスアレーナ・アマゾニア競技場と、ブラジリアのマネー・ガリンシャ国立競技場で、リオ五輪のサッカーの試合を行うためにいくつかの追加作業が必要になっています。同競技場はW杯開催前に改修工事が行われましたが、W杯後は試合がほとんど行われず、メンテナンスも行われていないことから、五輪サッカー競技関係者は使用に問題ないか懸念しています。
 ブラジリアの競技場での最大の懸念は芝生の状態。コンサートやパーティーに使用された後、芝生の整備を行う企業への支払いが滞納したことで、試合を行なうコンディションが満たされていません。懸念に対し連邦区の観光局長は、「この競技場の芝生は、オリンピックに向けて整備されている。同競技場をリオ五輪組織委員会に引き渡す5月までには、設備とコートの整備も完了する」と述べています。
 マナウスアレーナ・アマゾニア競技場も芝生が問題になっています。昨年11月にマネー・ガリンシャ競技場の芝生の整備を行った会社が、支払いが数カ月にわたって滞っていたため、芝生のメンテナンスをストップしました。このため毛虫が芝生に繁殖し、植え替えが必要になっています。州政府はこの作業は最近完了したとしていますが、五輪に向けてさらに必要な工事が残っていると話しています。この競技場には選手用の更衣室が2カ所しかありません。五輪期間中は、同じ日に2試合行う予定のため、選手のウォーミングアップと準備に向けた更衣室が4カ所が必要です。州政府は「競技場をオリンピック合わせて改修する」としていますが、まだ工事は始まっていません。五輪組織委はこのほかアマゾナス州政府に対し、施設内の駐車場と会場内の歩道や街路の改善を求めています。州インフラ局は、「この工事に向けて準備は整いつつある」と発表しています。しかし、工事は始まっておらず、総工費も不明のままです。
 五輪サッカーの試合は、リオのエンジェニョン競技場とマラカナン競技場、サンパウロアレーナ・コリンチャンス競技場、ベロ・オリゾンテミネイロン競技場、サルバドール市のフォンテ・ノバ競技場でも行われます。組織委員会と国際サッカー連盟は、「マナウス市とブラジリア市を含むいずれの開催都市でも、試合の実施を脅かす問題は起きていない」と楽観視しています。