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ドル高と経済危機で外国企業による買収が増加

 地元メディアによると、コンサルティング会社PwCが行ったブラジルにおける合併と買収に関する調査で、外国に本社を置く企業の企業買収数が増加していることが分かりました。原因はブラジルの景気減速とドル高で、外国企業にとってブラジル企業は安くて魅力的なものになったようです。最近では、中国のHNA社が、アズール航空の株式の一部を購入し、北米のデルタ航空は今年7月、ゴル航空への出資比率を3%から10%程度まで引き上げました。
 今年10月のデータによると、国内企業によって行われた買収企業数は25%減少して275件ですが、外国企業による買収は5%(285件)増加し、全体の51%を占めています。ブラジル市場の大きさと国内消費が外国企業にとって大きな魅力となっています。今年10月までの過去12カ月間にドルが56%も高騰しており、外国企業にとって国内企業は買収しやすくなりました。
 PwCのロジェリオ・ゴロ社長は、「数年前にはブラジルが国際市場から将来性のある国とみなされていた。これにより国内企業の買収数は06年から急増し始め、ブラジル企業は価値以上に高騰した。現在ではそれが是正され、より妥当な値段で取引されている」と述べています。