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史上最強レベルのエルニーニョで北部は干ばつ、南部は大雨

 オ・エスタード紙によると、エルニーニョ現象による影響がブラジルにも及び、生産者に2015/16年度の夏季収穫への不安をもたらしています。北部ブラジルでは干ばつでブラジルの大豆作付けが遅れ、南部ブラジルでは多雨により作物に病虫害の異常発生が懸念されています。
 エルニーニョ現象は太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけて海面水温が平年に比べて高温になり、世界中で異常な気象をもたらすとされています。この現象により南部ブラジルは大雨、北部ブラジルと東北ブラジルは干ばつ、中西ブラジルと東南ブラジルでは気温の上昇が観測されています。世界気象機関は、エルニーニョ現象は年末前までにさらに強さを増し、これまでの統計上で最も強力なものになる可能性を指摘しています。
 同機関では、1972/73年度、1982/83年度、1997/98年度の観測データから推測すると、平均して通常よりも最高気温が2℃以上高くなると予想しています。気象学者は「現況を見ると今年のエルニーニョは史上2番目に強く、すでに1982/83年度のレベルを超えている。史上最も激しかった1997/98年度のレベルと同等、あるいは上回る可能性がある」と語っています。