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子供達も働くゴミ処分場 大人には2000レアル稼ぐ人も

 地元メディアによると、サンパウロ州イタペチニンガ市にある違法なゴミ埋め立て地では14歳の少年もゴミ漁りに精を出しています。少年は10年前からこの埋立地で働いていて、「学校が終わると、まっすぐここに来る。価値あるものが少なく楽ではない」と話します。ここでは少年のほかにも数十人が違法に働き、ここに木造の小屋を建てて暮らす子持ちの家族さえいます。
 児童らがゴミ捨て場で働いているという連絡を受けた同市の児童保護当局のチームが現場へ行ったが、監視中に未成年者を見つけることは出来なかった。当局者は「彼らの多くは車が近付いてくるのを見ると逃げる」と話します。同市の環境局長は、このゴミ捨て場で違法に働く人達に対してリサイクル組合で仕事をするよう持ちかけたが、時間が合わず、規則に従えないという理由で断られたとしています。

ゴミの獲得競争

 トラックが到着してゴミを投棄する夜間には、大勢が働いています。夜になると、約40人がゴミの分別のために待機していて、市役所のゴミ収集車がやって来ると、彼らはできるだけ多くのゴミを集めようと必死で動き回ります。彼らは「昼間に来るゴミは貧民街から来るのでガラクタしかない。富裕層の多い中心街から来るゴミが到着する夜の方がいい」といいます。
 ここで働いている一人は「どこかに就職しても500レアルも稼げない。ここでは好きな時間に働き、好きな時間に休んで2000レアルになる月もある」と収入の良さから辞められないと話します。リサイクル業者らが買い取る1キログラム当たりの平均価格は、ペットボトルが0.70レアル、プラスチックが0.30レアル。最も高価なアルミニウムは0.80レアルです。仮にアルミだけを収集したとしても、月2000レアルの稼ぎを得るには2.5トンも集めなければならず、休日なしで1日平均83.3キロも集めなければなりません。楽な仕事ではないようです。