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電気、燃料電池車の輸入税率0%に

 地元メディアによると、政府は、これまで課税率を35%としていた水素もしくは電気のみによって駆動する自動車の輸入税の免除を決定しました。この決定は貿易審議会で決定したものです。ただし完成車は免税対象外になります。
 免税対象となる自動車は1回の充電で少なくとも80キロメートル走行できることが必要で、半完成車もしくは解体された状態で輸入され、ブラジル国内で組み立て作業を行う車です。ハイブリッドカーは、これまで通り排気量とエネルギー効率に応じて0〜7%の輸入税が課せられます。
 貿易審議会は2014年9月から、外部充電機能を持たないハイブリッドカーの減税を実施しています。今回の措置の新たな点は、コンセントにつないで充電するハイブリッドカープラグインハイブリッド車)にもそれが適用されたことです。税制上の優遇措置は、乗車定員6人までの排気量3.0リッター以下のハイブリッドカーに適用されます。
 電気や水素のみによって駆動する自動車はブラジル市場ではごくわずかですが、今回の決定は、ブラジルに無かった種類の自動車が輸入される道を開くことになります。これら環境にやさしい車は、ガソリンやディーゼルで駆動する自動車と比べ、大気中にほとんど汚染物質を放出しません。自然に優しい車でありながら、高額な価格が高な普及を妨げていました。

エコカー普及率はわずか0.03%

 ブラジル電気自動車協会は、国内で使用されている電気自動車及びハイブリッドカーの台数は約3000台としています。国家交通局の調べでは、15年9月時点での国内の自動車の総数は8970万台で、電気自動車及びハイブリッドカーの普及率は0.03%に過ぎません。
 ブラジルで販売されている電気自動車は、14年に22万6000レアル(約680万円)で発売されたBMWのコンパクト車「i3」のみ。一方、ハイブリッド車はフォード・フュージョン・ハイブリッド(14万2000レアル、約678万円)、トヨタ・プリウス(11万6000レアル、約348万円)、レクサスCT200(13万4000レアル〜、約402万円)、三菱アウトランダーPHEV(19万8990レアル、約600万円)、そしてBMWのi8(79万9950レアル、約2400万円)の5種類です。
 今回免税が決まった車には、日本だけで生産されている水素自動車(燃料電池車)も含まれています。水素自動車は水素と空気中の酸素を混合し発生する電力で自動車を駆動させるものです。排出されるのは水蒸気と熱のみで、大気汚染の原因となる有害物質は排出されません。トヨタが昨年発売した「MIRAI」(ミライ)は、量産型としては世界初のセダン燃料電池車です。