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ゼラダ元理事ら6人、贈収賄と資金洗浄の疑いで起訴=ペトロブラス汚職

 地元での報道によると、セルジオ・モロ連邦判事は10日、ペトロブラス汚職事件に関わったとして、ジョルジェ・ゼラダ・ペトロブラス元理事ら6人の連邦検察局の起訴を受け付けました。検察側は、2008年のペトロブラスによる掘削船の賃貸契約(18億ドル)で3100万ドルの賄賂が支払われたとしています。起訴状には、この賄賂の一部がゼラダ容疑者とエドゥアルド・ムーザ元部長、民主運動党などに支払われた可能性を指摘しています。
 裁判所が起訴を受け入れても、裁判の第一ステップが始まったにすぎず、今後、起訴された6人は、裁判で無罪を主張していくことになります。ただモロ判事はモナコで総額1030万ユーロ(約14億円)に及ぶゼラダ容疑者の2つの秘密口座に不審の目を向け、ゼラダ被告が民主運動党の支持を得て国際部長のポストに2008年から12年まで就いていたことに注目しています。ゼラダ被告とムーザ被告に加え、民主運動党のロビー活動家ジョアン・レゼンデ・エンリケ被告とラウル・フェリッペ・ジュニオル被告らも資金洗浄と贈収賄の容疑が掛けられており、ゼラダ被告には債務回避の容疑もあります。

政界への追求は無し?

 契約に加わった台湾マリタイム・トランスポーテーション社の代表者である中国人ヒン・シ・ス被告と、ロビー活動家のハミルトン・パジーリャ被告にも贈収賄と資金洗浄の疑いが掛けられています。パジーリャ被告は減刑と引き換えに詳細に供述することに同意しています。
 モロ連邦判事は、民主運動党の関与についてはその疑いを持ちつつも、「特権のあるいずれの高官が、賄賂を受け取っていたという確認は取れていない」として、最高裁に持ち込まれる事はないだろうとしています。実際、起訴状には、この契約によって同党の誰が賄賂を受け取ったかについて記述されていません。
 ゼラダ被告の弁護側は起訴内容を否定しており、掘削船の契約は正式に行われたと主張しています。民主運動党は、こうした方法で資金を集めるのは許されていないとコメントしています。